猫と暮らす建築士だからこそ描ける住まいの形
猫の行動パターンや好む高さ、隠れたがる場所の傾向——こうした細かな習性を設計に反映できるのは、設計者自身が日常的に猫と生活しているからにほかならない。FATCAT Design 一級建築士事務所では、一級建築士が自宅で猫と過ごす中で得た気づきをそのまま図面に持ち込んでいる。吹き抜けをアスレチック的な動線に変換する手法など、既存の住空間を猫目線で読み替える提案が多い。猫ごとの性格差を踏まえたオーダーメイドの空間設計にも取り組んでおり、画一的なキャットウォーク設置とは一線を画す。
個人的に印象的だったのは、「机上で考えた猫空間」と「実際に猫が使う空間」のギャップを設計者自身が体験として語れる点だった。たとえば図面上は理想的に見えるステップでも、猫の体格や年齢によっては使われないケースがあるという。そうした失敗も含めた実体験が設計の精度を上げている、と感じる依頼者の声が目立つ。設計相談の段階から猫の個性についてのヒアリングに時間をかけている。
個人宅から商業施設まで手がけてきた施工実績
住宅リノベーションの依頼が中心ではあるものの、FATCAT Design 一級建築士事務所は猫カフェやペットショップといった商業案件の設計・施工も手がけてきた。用途が異なれば求められる安全基準も動線設計もまるで違うため、案件ごとにプランニングの組み立て方を変えている。商業施設では不特定多数の来店客と猫の接触を前提にした設計が求められ、住宅とは別の視点が必要になる。こうした振り幅のある現場経験が、結果として個人宅の設計にもフィードバックされている。
予算や物件の条件がばらばらな中で「ここまで柔軟に対応してもらえると思わなかった」という声を複数の施主から聞く。限られた面積の中で猫の遊び場と人の生活空間を両立させた事例もあれば、大規模な猫カフェの内装をゼロから設計した案件もある。規模の大小にかかわらず、完成後に施主から寄せられる反応が次のプロジェクトの判断材料になっているそうだ。
設計から施工・完成後まで同じチームが伴走する体制
プロジェクトの初期段階から引き渡しまで、同一のチームが担当し続ける。FATCAT Design 一級建築士事務所がこの体制にこだわるのは、途中で担当が替わると施主の意図や猫の性格に関する情報が抜け落ちるリスクがあるためだ。工程ごとの伝達ロスを防ぎ、図面に込めた意図がそのまま施工に反映される仕組みを維持している。
引き渡し後のアフターフォローも継続的に行われている。猫の成長に伴って必要になる環境の微調整——たとえばシニア期に入った猫のためにステップの高さを変更するといった対応にも応じている。「完成して終わりではなく、猫の一生に沿って相談できるのが安心」という施主の言葉が、この事務所のサポート姿勢をよく表している。
千葉・流山を拠点にした情報発信と相談窓口
千葉県流山市鰭ケ崎に事務所を構え、流鉄流山線小金城趾駅から徒歩約8分の場所で平日9時から18時まで相談を受け付けている。FATCAT Design 一級建築士事務所は対面での打ち合わせを重視しており、図面だけでは伝わりにくいニュアンスを直接やり取りする場を設けている。設計や施工に関する質問には都度回答する姿勢を崩さず、初回相談のハードルを下げることを意識しているようだ。
ブログやコラムでは建築の豆知識に加え、猫との暮らしにまつわる日常的なエピソードも公開されている。たとえば自宅の猫がリノベーション後にどう行動を変えたか、といった具体的な投稿は読み物としても面白い。施工事例の紹介記事もあり、検討段階の施主が完成イメージを掴む材料として活用しているケースが多いという。


