構造図から伝わる「熱い想い」——10年間の実践が語るもの
「AIGの構造図からは毎回、熱い想いが伝わってくる」。そう語るのは、株式会社ANDO Imagineering Groupと10年以上の協働を続ける建設会社の関係者だ。2015年1月の設立以来、東京都千代田区六番町を拠点にPC・RC・Steel・Timberの全構造種別に対応してきたこの事務所は、単なる構造設計の請負業務にとどまらず、設計プロセスそのものを協働者とともに作り上げることを重視している。代表の安藤耕作氏は一級建築士かつ構造家であり、意匠と構造の両面から建築を読み解く視点が、チームの設計姿勢に強く反映されている。
プレキャスト・プレストレストコンクリート(PC)造を得意とする点は、株式会社ANDO Imagineering Groupを語るうえで外せない。薄肉ラーメン工法による無柱空間(BLOCKS IKEBUKURO)や、L型PCaユニットを用いた神楽坂 S-one、狭小地でレシプロカル構造を成立させた麹町444など、PC造の技術的可能性を限界まで押し広げた案件が積み上がっている。
建築デザイナーと構造エンジニアが上流から交わる設計プロセス
「意匠設計と構造設計は相反するものとして扱われることが多い」——株式会社ANDO Imagineering Groupはその前提を否定するところから設計を始める。建築デザイナーも構造エンジニアも上流工程から対等に関わり、主従でも序列でもなく有機的に交わりながらプロジェクトをかたちにしていくプロセスが、この事務所の核心にある。力学・材料・施工・空間の4分野16テーマを統合的に扱う「構造デザイン」という概念は、その思想を実務の言語に落とし込んだものだ。
外部建築家との協働と自社建築チームとの案件が約半々という構成は、この設計プロセスがさまざまな条件下でも機能することを示している。「安藤さんが面白いのは、構造の専門家でありながら建築の設計者と一緒に建築を面白く作ろうとする姿勢」という取引先の言葉は、この事務所が業界の中でどう見られているかを正直に示している。
駅舎・保育園・納骨堂——用途を問わない構造設計の射程
神戸電鉄花山駅舎・大池駅舎(2022年・兵庫県)、きたせんり愛育保育園(2022年・大阪府)、本照寺納骨堂(2021年・佐賀県)、八幡産婦人科医院(2024年・新潟県)——株式会社ANDO Imagineering Groupが手がける建物の種類は、構造設計事務所の一般的なイメージをはるかに超える。北海道の木質構造校舎から福岡のクリニック、東京の集合住宅まで、地域的な広がりも際立っている。木質材料(CLT・集成材・コアドライ)と補助Steelによるハイブリッド構造など、素材の組み合わせ方にも独自のアイデアが詰まっている。
SDGsに合致する環境配慮型工法への取り組みも、こうした案件の中で実践として蓄積されてきた。「会う度に『オモロいことやりましょうよ』とお互いに話している」という協働者の言葉が示すように、案件の多様性は偶然の結果ではなく、挑戦を続けてきた姿勢が引き寄せたものだろう。
平均年齢38.1歳、23名が動かす「全部できる」事務所
現在23名が在籍し(平均年齢38.1歳)、構造エンジニア・建築デザイナー・CGデザイナーが一つのチームを構成する株式会社ANDO Imagineering Groupは、構造計算から実施設計・現場監理まで全工程を自社で担う体制をとる。若手でも短期間で「全部できる構造設計者」として成長できる環境を掲げており、専門家から直接学ぶ機会が日常的に組み込まれている点が特徴だ。テレワーク東京ルール実践企業としても宣言しており、働き方への配慮も組織として示されている。
「要望を丁寄に聞いて整理した上で、想像以上の提案をいつもしてくれる」という利用者の声は、アウトプットの水準だけでなく、ヒアリングの質を評価している点が印象的だ。JR総武線四ツ谷駅から徒歩4分という立地でありながら、案件の地理的な広がりは北海道から九州まで及んでいる。


