用途を選ばず、あらゆる建物の骨格に向き合う
商業施設、オフィス、倉庫、ホテル。株式会社三誠エンジニアリングのもとには、性格のまるで違う建物の構造設計が持ち込まれる。共通しているのは、どれも人が集まり、日々使われ、長く街に残っていく建物だという点だ。その安全と耐久性を左右する柱や梁の骨組みを、意匠設計を土台にしながら組み上げていく。デザインや間取りが主役に見える建物でも、それを陰で成り立たせているのは骨格の設計であり、株式会社三誠エンジニアリングはその裏方の位置に徹している。
鉄筋コンクリート造もあれば鉄骨造もあり、選ぶ構造材によって検討の道筋は大きく変わる。建物の重さや大きさ、立地環境まで見渡したうえで、構造計算と図面確認を通じて安全性を数字で裏づけていく。華やかなデザインの内側で、その建物が力に耐えられるかを黙々と確かめる仕事である。個人的には、目立たない土台にこそ設計者の判断が凝縮している点に惹かれた。
安全性の検討はゴールではなく出発点でもある。耐えられるかどうかを確かめたうえで、コスト検討や施工性検討まで踏み込み、無理のない形に落とし込んでいく。理屈のうえで正しいだけでは現場が回らないため、つくりやすさや費用の見通しまで含めて一つの設計としてまとめ上げる必要がある。
経験と資格を活かし、判断の質で応える現場
株式会社三誠エンジニアリングが向き合う構造設計は、指示された手順をなぞるだけでは成り立たない。安全を証明するロジックが複数あるなかで、コストや施工性、全体の釣り合いを天秤にかけ、最適な一つを選ぶ判断が働き手に委ねられる。ロジックとセンスの両方を回せる経験者を求め、構造設計一級建築士の有資格者を歓迎しているのも、この判断の重さゆえだ。数字を積み上げる力と、そのなかから釣り合いの取れた答えを選ぶ感覚。どちらが欠けても、良い骨組みにはたどり着かない。
働く環境そのものにも、独自の設計がある。残業を抑えてオンとオフを切り替えやすくし、状況によっては在宅勤務も選べるようにして、仕事と家庭が両立できる形を整えている。学歴や性別、国籍で線を引かず、幅広い年代のスタッフが日本語で意思を交わしながら机を並べているのも、この会社らしい姿だ。
案件の幅が広いぶん、身につくものも多い。用途も規模も異なる建物に次々と関わることで、構造設計士としての引き出しが一件ごとに増えていく。自分の判断が建物の安全へ直結する緊張感の中で、経験の密度が濃くなっていく現場である。
新川の拠点から、変化を受け入れて前へ
所在地は東京都中央区新川一丁目、アクロス新川ビルの9階にある。茅場町駅から徒歩およそ6分で、日比谷線と東西線のどちらからでも通える。代表は春藤元宏氏、連絡先は03-3527-3681で受け付けている。営業は平日の8時50分から17時30分までで、土日祝や夏季・年末年始は休みとなっている。
設計に唯一の正解はなく、時代や価値観が動けば求められるものも変わっていく。株式会社三誠エンジニアリングはその前提を受け入れ、変化を嫌がらずに新しい課題へ踏み込める人と一緒に、東京で建物の土台を支え続けている。地震の多いこの国で、人の安全を足元から成り立たせるという役割に、静かに軸足を置いている。目に触れる機会は少なくても、都市に建つ一つひとつの建物の内側で、その仕事の跡が確かに働いている。派手さはなくても、暮らしの安全を根の部分から下支えする位置に、この会社は立っている。


