水を送る設備、水を流す設備
蛇口をひねれば水が出て、使い終えた水は見えないところへ静かに消えていく。その当たり前の循環を足元で支えているのが給排水設備であり、株式会社喜多村設備が日々手がけている領域にほかならない。建物へ水を送り込む給水設備を据え付け、使い終えた水を澱みなく排出していく排水設備を組み上げていく。設置して終わりではなく、年数を重ねた設備の手入れまで引き受けるため、建物が建っている限り付き合いは細く長く続いていく。目に触れない配管の一本一本が、住まいや仕事場の衛生を陰で保ち続けている。
平塚市を拠点とするこの会社は、給排水設備工事を軸に据えながら神奈川県内の現場を広く回っている。暮らしの場でも仕事の場でも、水まわりがいったん滞れば生活も業務もたちまち立ち行かなくなってしまう。だからこそ、目立たないが欠かすことのできないこの設備へ、代表の喜多村享をはじめとする職人たちが手をかけ続けている。普段はほとんど意識されない部分を任されるところに、この仕事の性質がよく表れている。
配管という仕事の中身
配管工事では、管を新たに設ける作業から、既存の管どうしをつなぐ接続、不具合箇所の修理、傷んだ部分の交換まで、求められる技術が場面ごとに移り変わっていく。給排水をはじめとした設備の業務として、この管まわりの施工を幅広く担っているのが株式会社喜多村設備の持ち場だ。土木や建築に関わる工事にも手を広げており、水に限らず建物づくりの周辺までカバーしていく構えをとっている。扱う範囲が広いぶん、現場ごとに頭を切り替えていく柔軟さが職人へ求められる。
実際の現場に入れば、図面どおりに事が運ばない場面はつきものだと職人たちは口をそろえる。既存設備との取り合いや、限られた空間での配管の取り回しなど、その場その場の判断が仕上がりを大きく左右していく。正直なところ、こうした地味で手数のかかる作業を淡々とこなせる職人の層こそ、この種の会社の芯なのだと取材を通して感じた。派手さこそないものの、生活を止めないための技術がそこへ確かに積み上がっている。
見えなくなる部分にこそ精度を
給排水や配管の工事は、終わってしまえば壁や床の向こうへすっかり隠れてしまう性質を持つ。それでも日々の水の出入りが滞りなく続いていくのは、据え付けの段階で手を抜かなかった結果にほかならない。株式会社喜多村設備は、この見えなくなっていく部分の精度を、神奈川の現場で一つずつ積み重ねてきた。完成したあとに評価されにくい仕事だからこそ、職人の誠実さがそのまま形へ残っていく。
人の採り方のほうにも、この会社の間口の広さがはっきりと表れている。学歴は問わず、未経験からの挑戦も歓迎し、正社員・アルバイト・業務委託という複数の雇用形態がそろえられている。給排水装置主任技術者や配管技能士の資格を持つ人には資格手当を支給し、手にした技能が待遇へまっすぐ跳ね返る仕組みが敷かれている。年2回のボーナスや交通費の全額支給、昇給制度も整えられ、働いた分がきちんと形になって返ってくる。
代表と職人の近さが生む現場
この会社の空気を最終的に決めているのは、代表の喜多村享が現場へ出て職人と直に言葉を交わしていく姿そのものだ。少人数ゆえに互いの動きまで見渡せ、風通しのよさが施工の段取りを滑らかにしている。直行直帰にも応じ、家庭の事情による休暇にも柔軟に向き合うため、生活を崩すことなく技術を磨き続けられる職場になっている。所在地は神奈川県平塚市東真土2-17-54、連絡先は0463-72-7794、日曜日を休みとしながら現場が動いている。


