産学官の共同開発が生んだ室内シェルター
神奈川県安全防災局と神奈川大学工学部による共同実証実験を経て誕生した「室内安全ボックス」は、既存の住宅構造から完全に切り離された独立基礎と鉄骨フレームで構成される。ミホ工業株式会社が特許を取得したこの技術は、木造2階建て住宅の約2倍にあたる34トンの圧力負荷試験をクリアしている。震度7相当の揺れを想定した設計であり、住宅全体を改修せずとも一室単位で耐震空間を確保できる仕組みだ。4重の安全機構が組み込まれており、周囲の部屋が損壊しても機能が損なわれない独立性を持つ。
個人的には、家全体を直さなくても「この一部屋にいれば大丈夫」と言い切れる構造があること自体が印象的だった。実際に導入した利用者からは、寝室に設置して夜間の不安が大きく減ったという声が目立つ。高齢の親と同居している家庭では、避難が困難な家族を抱える切実さから設置を決めたケースも少なくない。こうした具体的な安心感は、数値データだけでは伝わりにくい部分だろう。
最短10日・住みながら完了する施工スピード
工事期間中に仮住まいへ引っ越す必要がない。ミホ工業株式会社の施工は最短10日で完了し、解体作業も対象となる部屋の天井と床に限定される。介護を要する家族がいる世帯や、幼い子どもの生活リズムを崩したくない家庭にとって、住み続けたまま工事を進められる点は選定の大きな決め手になっている。建築士資格を持つ技術者が事前調査と工程管理を担い、他の居住空間への干渉を極力排除した計画を組む。
ある家庭では、80代の母親が在宅介護中のため転居が現実的でなく、この短期施工を知って依頼に踏み切ったという。工事中も隣室で普段どおり過ごせたと聞く。従来型の耐震リフォームでは数週間から1か月以上かかる事例も珍しくないため、10日という工期は比較するとかなり短い。施工範囲を必要箇所に絞ることで、コスト面でも無駄を抑えた設計になっている。
家族構成で選べる3タイプの安全空間
4.5畳(242万円〜)、6畳、8畳(297万円〜)という3つのサイズ展開で、部屋の用途や世帯人数に合わせた選択肢を用意している。子ども部屋に設置する家庭もあれば、夫婦の寝室をまるごと安全ボックス化するケースもあり、使い方は一様ではない。設置後の室内は通常の居室と見分けがつかず、日常生活で違和感を覚えることはほぼない。外壁や屋根の改修工事と組み合わせれば、住宅全体のメンテナンスを同時に進めることも可能だ。
「見た目が普通の部屋と変わらないので、来客に気づかれたことがない」と話す利用者もいるようだ。耐震シェルターと聞くと無機質な鉄の箱を想像しがちだが、実際には壁紙や床材も自由に選べるため生活空間としての快適さは損なわれていない。予算を抑えたい場合は最小サイズに絞り、浮いた分を断熱改善や収納増設に回すといった組み合わせも相談できる。
一都三県をカバーする住まいの総合対応
ミホ工業株式会社は神奈川県を拠点に、東京都・埼玉県・千葉県を含む一都三県で事業を展開している。耐震安全ボックスの設置だけでなく、一般リフォームや遺品整理、不要物処分まで住宅にまつわる依頼を一括で受け付ける体制を敷く。施工後には定期点検やメンテナンスが続き、各種補助金の申請サポートも案内している。相談窓口を分散させず一本化することで、利用者側の手間を減らす仕組みになっている。
断熱性能の向上や収納スペースの追加といった生活改善の提案も、安全ボックス設置のタイミングでまとめて受けられる。複数業者に個別発注する場合と比べ、工期の重複や連絡の行き違いが起きにくいと感じる利用者も多い。対応エリア内であれば現地調査は無料で実施しており、まず建物の状態を見てもらうところから始められる。


